へそ踊りはお腹にそれぞれ好きな顔を書き、かさを被って歩きながら踊るユニークな踊りである。
 当日はへそ踊りの踊り手を中心に、子供踊り、浴衣踊り、練り歩き隊など300名が商店街の通りを練り歩く。


へそ踊りの始まり

 踊りのきっかけは11年前にさかのぼる。カラー舗装や街路灯などハード面の整備が整った後、何か商店街の目玉になるイベントを立ち上げなければと言うことから始まった。ありきたりのイベントはつまらないので、何か奇抜なことをやりたいと考え、商店街は板橋のど真ん中にあるから「へそ踊り」をやろうということになった。その後各地のへそ踊りを研究し、群馬県の渋川市へは組合員10人が押しかけてノウハウを教わった。
板橋三大祭として地元に定着

 第一回目は、予算はわずか三十万、ポスター・立て看板・笠・腕などすべて手作りでまかなった。踊り手も自分たちだけの総勢50名に過ぎなかった。それでもしっかりとした手ごたえは感じられた。
 第二回目には石塚区長をはじめ大勢の人が祭りを訪れた。区長からは「板橋の三大祭」と持ち上げられたこともあって多いに盛り上がり、本格的イベントとして認知されるようになった。その後へそ饅頭、へそ煎餅、へそクッキー、へそくるみ餅、へそ定食、へそラーメン、へそチラシなどのへそグッズも次々と開発された。またテレビなどでも取り上げられるようになった。現在は町会や地元の大東文化大の学生など、地域の人々も積極的に参加するようになり、名実ともに「板橋の三大祭」の一角を占めるようになっている。
練り歩き隊 浴衣踊り
祭りをきっかけに地域との連携が深まる
 平成17年7月16日、地元大東文化大学との産学官連携拠点「中板環創堂(かんそうどう)」の開所式が開催された。これは空き店舗を利用して環境創造学部の学生たちが地元高齢者の話し相手や子供たちの宿題を手伝うなど世代間のコミュニケーション促進に取り組むという試みである。商店街にとっては地元大学および地域住民の双方と一気にコミュニケーションを深めることができる。一方大学生にとっても商店街での活動は学習面で貴重な実践の場となる。
 今回の試みは中板橋商店街が今春、大東文化大学と締結した施策提言の協定覚書に基づいて実践されるもので、空き店舗活用事業として改装費および3年間の家賃について都と区の助成を受けている。
 中板橋商店街はこれまでも宅配事業を手がけるなど、新しい活動に次々と取り組んでいるが、今回学生の力を取り込むことで、どんな活動がこれから出てくるのか、非常に楽しみである。
子供隊 太鼓で祭りを盛り上げる
宅配事業
 中板商店街でへそ踊りとともに、マスコミによく取り上げられる事業として宅配事業がある。これは商店街事務局で買い物の注文を受け、事務局の担当が商店街の店から商品を集めて注文先に宅配すると言う事業で、一種の買い物代行である。土日を除く毎日11時から14時の間に注文を受け、その日の夕方に宅配用の電動バイクで配達する。利用者は「買い物に行けないお年寄り」や「外出の困難な赤ちゃんのいる家庭」で、一日4,5件の注文がある。料金は300円の固定であったが、今年8月から荷物の大きさに応じて1000円までの値段で設定できるようにした。配達を担当するのは女性の民生委員が一人と定年退職した男性である。配達はただ商品を持っていくだけでなく、お年寄りの話し相手になる必要もあるということでボランティア的な要素も大きい。年間100万程度の赤字になってしまうということだが、どうしても宅配を必要とする人達がいるためなかなか止めることができない。営利をめざす商店街が赤字事業を続けてもよいものかという意見もあるが、宅配をやっているということが商店街の宣伝になっている面もあるのでしばらくは続けていく予定である。
中板環創堂 電動バイク

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