小売業から見た「まちづくり 」

 2月22日(土)の15時から、商店街研究会例会では、中小企業診断士 小松氏をお招きし、江東総合区民センターで、小松氏が30年余り百貨店に勤務し、主に新店の立ち上げや大規模リニューアルに数多く係わってきた経験から小売業の現状やまちづくりの課題のお話しと、20年余りにわたる中小企業診断士活動の中で、商店街をはじめ様々な小売業についてのお話を伺いました。

  昭和・平成の「流通・小売業」の変遷として、日本を変えた5つの業態として、@セブンイレブンの商売の単位を変え、その時その人のニーズがワンストップで完結する流通経路を消費を起点に再構築をした。A無印良品は、消費社会の意味を変え、モノの価値、生産・消費・廃棄全体への視点、「ちょうどいい」感覚を築いた。Bユニクロは、同じものを着ていても、自分がそれ以前にもっている個性が引き立つ、それがファッションの意味を築いた。Cイオンは、都市と郊外・地方のライフスタイルを変え、モールが郊外ライフスタイルを構築した。Dスターバックは、第3の場所(サードプレイス)を提供し、女性が行く場所・過ごす場所、スタバで仕事・勉強の文化を築いたという考え方を示した。

 日本型流通の歴史に重要な地位を占めている商店街は、消費の論理と労働の論理と地域の論理が今までは、総じてバランスがとれていた。現在の商店街をベースとした「まちづくり」の困難性は、消費の論理と地域の論理が接点を持ちにくいところにあり、この解消が行われなければ商店街の再生は難しいと考える1日でした。

城西支部 鈴木 隆男