「開閉式アーケード」「一店逸品街」の吉祥寺サンロード商店街を視察

 診断協会東京支部の商店街研究会は去る7月3日(土)に表記商店街を訪問した。今年4月に開閉式アーケードが完成し、そのオープンにあわせ、1年間準備してきた「一店逸品街」をスタートした。2ヶ月間の成果については、来街者は増えたとの声が多かった。以下のお話は、木村征司理事長と勝俣常任理事にお聞きしたものである。

1:「吉祥寺サンロード商店街振興組合」

「吉祥寺サンロード商店街振興組合」は、最初のアーケード完成にともなって昭和47年6月に振興組合となった。
現在は吉祥寺駅の北側から五日市街道に至る約300mの直線型商店街で、130店舗である。大きな特徴は、130店舗のうち129店舗が当振興組合に加盟していること。この理由は、中小企業診断士が支援を続ける「生活教室」や、今回の「アーケード」と「一店逸品運動」によると思われる。
イベントは7月31日〜8月1日の門前市がサンロード単独で、その他の吉祥寺音楽祭り、お中元、秋祭り、アニメーションワンダーランド、薪能などは吉祥寺駅近辺の20商店街2000店が吉祥寺活性化委員会を作って共同開催している。通行量は休日7万人、平日4万人、と大変な賑わいである。

2:「アーケード」

写真「アーケード」は8年間の準備でオープンコンペし、今年完成した。昼は晴れれば開くので、明るくて涼しい。夜間は閉じて大型映像で祝祭的空間を演出する。大変楽しいものだ。総工費は約10億円。各店の負担金は間口で決めている。1mで5,500円であり、間口6mなら33,000円となる。そのほかに通常の賦課金がある。

 

 

3:「一店逸品街としてのサンロード」

 この運動をする中心組織は、商店街組合の中「ネットワーク委員会」。その委員長の勝俣淳子常任理事は、ランジェリー店を経営しつつ、振興公社の「商人研究会」に参加し、静岡呉服町を見学などして進めてきた。商店街を歩くと、商店街の「垂れ幕」には「逸品商店街」と表示し、参加各店舗(80店舗)の入り口には「一店逸品店」であることのシールが貼られている。ここはチェーン店が全体の5割以上を占めるが、それらの店もこれに参加している。例えば、ミスタードーナッツも"ファンシードーナッツ"を吉祥寺店で独自開発し、イワキめがねは"EYE METORICS"を逸品としている。これら各店逸品を紹介した「一店逸品MAP」を、総合案内所でもらえるようになり、なかなか便利である。もちろん中にはこだわりの逸品もあるが、店主が良いと思ったもの・サービスを逸品とするという参加のしやすさが130店中80店もの参加につながっているようだ。250万円かけて作ったこのパンフレットを配布した後、未参加の店からは自分も入れて欲しい、といってきているということも成果といえよう。収穫多い半日であった。

報告者: 相楽守