川島商店街振興組合を視察して

 

 東京支部商店街研究会では、3月12日(土)中野区の川島商店街振興組合を視察した。視察後、商店街にあるコスモ会館で大石理事長から商店街の現況と課題についてお話を伺った。

1.立地条件

 最寄駅は地下鉄丸ノ内線中野新橋駅である。しかし、この最寄駅から川島商店街までは徒歩で約15分かかる。この立地からわかるように、川島商店街は駅前商店街とは違う地域に根付いた商店街としてこれまで繁栄を続けてきた。
現在の商店街組合員は131店舗である。しかし最近では廃業する店舗も出始め、空き店舗が発生している。これも時代の流れではあるが一抹の寂しさを感じる。

2.コスモスタンプ事業

 しかし、川島商店街は元気である。その代表がコスモスタンプである。長年続いている名物スタンプである。お客様はスタンプを貯めることを大変楽しみにしている。その理由は、カタログを見ながら好きなお店の気に入った商品を選びそれを格安で購入できたり、ディスニーランドのパスポート券と交換できる特典があるからだ。

3.青年部とコスモレディースの活動

 商店街活動を支えているのが、青年部とコスモレディースいわゆる婦人部である。青年部は春の夜桜から夏の納涼大会、クリスマス、歳末売り出しと一年中大活躍である。商店街の活性化を目指し、これからもいろいろと楽しいイベントを企画開催する予定を持っている。現在の大石理事長も青年部出身でご自身の若い時のことが頭を過ぎったのか、青年部のお話には自然と力が入っていた。それだけ期待が大きいのだ。
コスモレディースは、女性のきめ細かな視点で消費者と商店街を結びつける貴重な存在になっている。各種イベントや行事では飾り付けやお手伝いなどで活躍している。こうした縁の下の力持ちがいるからこそ商店街活動が成り立っているのだ。

4.ときめき準備室の活動

 「昔ながらの元気な川島商店街」の具現化に向けて活動している組織である。この組織では、商店街の宣伝広告や放送設備の有効な利用方法を考えたりやお客様の声を集めたご意見箱のメンテとフォローアップの実施、5年・10年先の川島商店街のことを検討している。

5.最後に

 厳しい環境にある川島商店街、しかし今回の視察で感じたことは、まだまだ生き残りの道はあるということだ。大型店にはない地域に根ざした商店街として、青年部を中心とした若い人材が商店街を引っ張っていけば、必ず道は開けていくと思う。

報告者: 木村 信彦