金町地区12商店街を視察して 〜金町カード協同組合の設立について〜

 東京支部商店街研究会は、6月18日(土)に、金町地区駅前商店街を視察して、Kカード(金町ポイントカード)の現状と問題点をお聞きした。当日は金町カード協同組合秋吉理事長他副理事長3名、さらには中戸川区商連会長や城東支会津幡先生のご同席も頂き、商圏特性を含めた詳しいお話がお聞きできた。まずは歓待して頂いた方々に御礼申し上げる次第である。

1.基礎データ

2.Kカード導入の経緯

金町地区商店街

 98年、中心市街地活性化地域に指定、JR金町駅周辺16の商店街(会)でTMOを組織。00年、施策第2弾としてポイントカード導入を検討、当初オンライン方式が有力であったが、大いに議論の末、オフラインで着地した。

 

3.成功の秘訣

 12の商店街にまたがっての運営は、極めてめずらしい事例である。単一の商店街でさえポイントカード導入に当っては、加盟店説得が至難の業となる。これを12の商店会で行なうには、組合執行部や区商連の方々が、相当腐心されたものと推察する。
特に秋吉理事長のお膝元、金町駅前一番街商店会では加盟率が最も高くなっており、同理事長のリーダーシップとそれを支え執行部の行動力が、成功の大きな一因になっているものと思われる。

4.問題点

 とは言え、加盟店率約18%には、改善の余地がある。どうしても加盟店が非加盟店に埋もれしまう。加盟店の店頭にかかげているのぼりを探すのにも一苦労である。また店頭シールも小さく、もっとアピールする工夫が必要と思われた。
ただ、事の本質は、導入の経緯にあると考える。TMOの組成自体、平澤議員による活性化地域指定に遡ることから、カード導入時に危機感を地域全体で共有できていなかったのではないだろうか。また導入後においても、加盟に積極的でなかった店舗によるポイント発行スタンスが、全体のイメージダウンになっていないか心配である。

5.金町の将来について

 現在、駅南口には再開発の計画があり、またJR駅舎のリニューアルも一歩前進したとのこと。「機会」には大いに期待が持てる。その一方で、隣駅亀有にあるイトーヨーカ堂がリニューアルされたり、三郷には超大型SC建設が進んでいるなど、「脅威」も現実化してきている。
このような環境下、ポイントカードが果たす役割はますます重要になって来ているものと思われる。金町地区には良い意味での下町気質があるだけに、お客様と自店を結ぶ絆として、Kカードを存分に有効活用してもらいたいものである

報告者: 外池 登志郎