商店街研究会 視察旅行( −みなかみ町湯原温泉街振興会−)

 商店街研究会では、木部美春会員(群馬県商工会連合会)の紹介で、11月11日(日)に群馬県利根郡みなかみ町の湯原温泉街振興会の山田直彦会長にお話を伺った。

1.みなかみ町 湯原温泉=水上温泉

 みなかみ町は、利根郡月夜野町、水上町、新治村が合併してできた町である。水上温泉郷には、水上温泉、宝川温泉、谷川温泉、上牧温泉など数々の温泉がある。このうち湯原温泉は、私たちには“水上温泉”として知られている古くからの温泉街である。
水上町全体の来訪者はかつて年間300万人ほどであったが、先頃には230万人程度に落ち込んでおり、その構成も宿泊客から日帰り客にシフトしていると伺った。来訪者の多くは国道291号線を利用するが、そこから湯原に立ち寄る客は多くなく、湯原温泉街は苦境に立たされている。

2.湯原温泉街の取り組み

 会員100名の湯原温泉街振興会では、「湯原温泉街復活プロジェクト」として、全く新たな客を集めるよりは、国道291号線を使う既存来訪客を湯原温泉街に呼び込むことを目指して取り組みを進めた。主な内容は、@ふらり歩いて楽しむ(産直野菜市開催やマップ作成など)、A体験して楽しむ(娯楽体験、三味線や八木節体験など)、B温泉を楽しむ(入湯手形発行など)、Cおいしい食べ物を楽しむ(飲食店マップ作成、など)である。また署名活動を行い町営駐車場設置の要望も行っている。
水害や大雪の影響もあって空き店舗も出ているが、プロジェクトの中でチャレンジショップを開設し、そこから空き店舗が埋まる例が数件出てきている。
  ただ、全般的に取り組みは十分徹底・継続せず、成果には結びついていないのが現実とのことである。

3.湯原温泉街の課題

  数々の施策がなかなか成果に結びつかない中、温泉街復活に向けての適切な実態分析、差別化できる魅力作り、情報発信、そしてそれらを実現する組織作りが課題となっているように見受けられた。
当会会員からは、一般的に認知され検索されるのはやはり“水上温泉”であるのでその名称を前面に出したらどうか、チラシのメニュー・内容が提供側の発想になっていてお客様の欲しい情報になっていないのではないか、といった意見が出された。
東京の商店街とも資源、立地・交通環境、課題、などで共通する点も見られ、今後東京との交流・連携で双方の課題解決につなげることが可能ではないかとの感触を得た。

4.上牧温泉「辰巳館」

 視察旅行の宿泊は上牧温泉「辰巳館」であった。辰巳館は早くから家族客向けに特化した旅館で、客室、料理、サービスとも素晴らしく、一同大満足の宿泊となった。

報告者:木伏 源太