スカィツリーで賑わう押上・業平地区の視察と 墨田区観光協会を訪問して

スカィツリーで賑わう押上・業平地区の視察と 墨田区観光協会を訪問して

 

7月度商店街研究会例会では、スカィツリーで賑わう押上・業平地区を視察、その後、墨田区観光協会の小川事務局長にお話をお聞きした。

1.押上・業平地区の視察

押上・業平地区 押上駅集合後、スカィツリーを頭上に見ながら、昨年8月にオープンした「お休み処 おしなりくんの家」を視察した。
  これは、押上・業平地区の5つの商店会による地域活動情報提供・地域コミュニティの拠点として空き店舗を活用し、地域ボランティアの協力で運営されている。

 

 

 


2.墨田区観光協会の設立

 同協会は、平成21年5月それまでの墨田区文化観光協会を改組、一般社団法人として東京スカィツリーの開業を契機に、新しい収益事業の展開、補助金中心の事業運営からの独立を図った。協会の活動は、墨田区が誇る様々な観光資源や観光関連産業の振興を通じて墨田区全体の経済発展と活性化を図り区民生活の向上に寄与することを目的にしている。

3.墨田区観光協会の組織

 同協会の理事は21名、職員は24名、会員数は、個人、企業、商店街等約1千名である。協会理事長は、民間から登用、多くの理事も企業経営者等で構成されている。事務局長の小川幸男氏は、平成21年3月、区民活動推進部長を最後に退職後、協会事務局長に就任、これまでの経験を活かし、事業の推進をしている。

4.墨田区観光協会の4つの事業

(1)旅行業(着地型観光の推進)

旅行業者3種を取得、顧客は全国の旅行会社、バス会社等でパッケージ型販売を行う。修学旅行は2年前から決定される。

(2)まち歩き観光(史跡・旧跡巡り)

  江戸時代から発展した両国には、吉良邸跡など多くの史跡・旧跡があった。国技館があり、ちゃんこ料理店約30店舗が味を競い合っている。また、街角に「高札」を立て、有名商店街や個性的な商店を結び「街巡り」を行う。

(3)商品開発(墨田ブランド)

 墨田はものづくりの街、そのノウハウを活かし洗練されたブランドを開発、街歩き観光の方や修学旅行生等に販売を行う。

(4)フイルムコミッション(ロケ地誘致)

 

 ロケ地カタログ等を作成して映画の誘致を行う。また、自主映像企画・制作を行い、ものづくりの街で製品が造られる物語を映像化、ユーチューブで発信する。 他の事業は、納涼の夕べ(旧安田庭園)、水辺の賑わい(隅田川親水テラス)や隅田川花火大会等地域のイベントを開催する。

5、観光は地域商業の最後の砦

 地域商業は、地域の旺盛な購買力があって成立する。高齢化の進展、大型店との競争は地域購買力を疲弊させる。観光は新しい購買力を生む可能性を持っている。地域商業者がこの要素を取り入れることで新生・再生が可能となる。

報告者: 城西支会 鈴木 隆男