第7回東京都商店街グランプリ受賞商店街  森下商店街を視察して

 4月度商店街研究会例会では、平成23年大江戸線全線開業10周年記念イベント「大江戸線でJAZZが来る」で第7回東京都商店街グランプリを受賞した江東区の森下商店街を視察した。商店街からは、本間理事長、戸山・白川両副理事長の3名が、研究会からは23名が参加し、お話を伺った。

1.森下商店街の概要

 同商店街は昭和25年、まだ戦後の焼け跡が残る森下地区に任意の商店街として発足し、昭和37年に法人化を果たした。商店街は、新大橋通りと二つ目通り(清澄通り)が交差する森下交差点を中心に十字に街区が構成されている。正会員110名と周辺の商店やビジネスホテルなどの賛助会員40名から構成されていて、最近は飲食店が増加し、会員の半数近くとなっている。また、数年前から「江戸しぐさ」のバナーを街路灯に飾り、江戸時代のモラルを現代に応用すべく活動、まちを愛する人の育成、住民の利便性や住みやすさに貢献する地域一体となった商店街を目指している

2.イベント「大江戸線でJAZZが来る」

大江戸線にジャズが来る 森下商店街

 大江戸線開通後、まもなく半蔵門線も開通、森下・白河・清澄地域は交通の利便性が向上、都心に近い性もあり新住民が増えてきた。その新住民を中心にJAZZファンが多いことが分かりだしてきた。川嶋哲郎プロの協力を得たことから、森下、高橋、資料館通り、高盛会、清澄通り、仲通りの6商店街が、「深川プロジェクト実行委員会」を結成した。江東区、東京都交通局等の協力を得て、平成22年12月1日から12日まで、セミプロ、アマ演奏者 も加えて、路上ライブ、商店街内パレード、大阪の商店街で行われていたヤカンに改良を加えたヤカーリング大会など12日間のプログラムを各商店街で実施した。総事業費は600万円、うち補助金は400万円、自己負担は200万円であった。広告代理店に依存せず独自の活動を進め、東京都交通局の協力で都営地下鉄全駅にポスター等を張り出した集客宣伝が行われた。

後継者育成と今後の課題

 今回の受賞は、イベント実施が、客数増などの直接的効果は不明であるが、多くの地域の人々を喜ばせ、地域の6商店街の連携が東京都から特に評価されている。
今回お話を伺った戸山・白川両副理事長は、次世代の理事長としての活躍を期待されている。本間理事長は、後継者づくりを最重要課題として、10年前から商店街組合理事の若手への世代交代を進め次世代を担う人の育成を行ってきた。

今後の重要課題として商店街運営に飲食店の意見を反映させるため4年前から飲食部会を立ち上げ昼間の時間帯に意見交換を行っている。

城西支会 鈴木 隆男