ソーシャルメディアを活用した商店街のファンづくり ― 高円寺ルック商店街を視察して ―

 商店街研究会では、12月15日(土)、杉並区の「高円寺ルック商店街(新高円寺通商店街振興組合)」を視察し、理事の中澤一也氏より、ソーシャルメディアを活用した当商店街の取り組みについてお話をうかがいました。

1.高円寺ルック商店街について

 高円寺ルック商店街は、JR高円寺駅南から東京メトロ新高円寺駅に至る2つの商店街の一つです。長さ500mの街路に、古着やアクセサリー等のファッション関連を中心とした約180店のお店が立ち並んでいます。近隣住民は単身者世帯が多く、20〜30代の割合が高くなっていることもあり、若者向けの飲食店の割合が増えてきているとのことです。また、週末になると遠方からの来街者も多いのが特徴といえます。

2. Twitterによるファンづくり

 写真高円寺ルック商店街は、2000年1月に当時商店街としては初めての携帯専用サイトを開設し、大きくマスコミに取り上げられました。同サイトの開設者でもある中澤氏は、Twitterを介して「同じ地域の人と繋がる」ことに着目し、3年前より商店街アカウントにてツイートを開始したとのことです。 Twitterによるお客様の言葉は、お店や商店街の宣伝よりも説得力があり、Twitterを介したお客様とのコミュニケーションが固定客となりうるファンづくりに繋がっていると中澤氏はいいます。 工夫した点は、いかに読み飛ばされないように目立つかと、極力宣伝はせずに「ルックは面白いぞ」と記憶してもらうことだそうです。  ピンポイント天気予報や交通情報、地域イベント情報等の地域住民が気になる情報をコーディネートして発信したり、お客様にも楽しんでいただけ、飲食店のPRにも繋がる企画として、Twitterと連動した特製弁当付きの花見イベントを開催するなど、Twitterの特性を生かした様々な工夫と企画が次々と生み出され、実践されていることに驚かされます。

3. さらなるソーシャルメディア活用

 Twitterはファンづくりには最適な手段だが、個々のお店の売上を伸ばすのは最終的にはお店の努力と中澤氏はいいます。宣伝ばかりにならないよう、うまくエンタメ化してお店のプロフェッショナル感を伝えることが重要とのことです。
また、Twitterを含めたソーシャルメディアは、それぞれに特徴があり、ユーザーが求めるものも違ってきます。写真共有アプリであるmiilでは、お客として商店街内で食べたものを紹介することで、既にTwitterのフォロワー数を大きく超えているとのことです。

意欲的にソーシャルメディアを活用している高円寺ルック商店街の動きには、今後も注目が集まりそうです。

中央支部 打浪 龍司