マンガの聖地「トキワ荘」を守り、育む商店街たち  ― トキワ荘通りを視察して ―

 商店街研究会では2月23日(土)、豊島区の目白通り二又商店街と南長崎ニコニコ商店街を視察し、マンガの聖地巡りをした後、「南長崎ニコニコ商店街」副会長の小出幹雄氏より「トキワ荘」および「紫雲荘」を活用して地域活性化を目指す二つ商店街の取組みについて、お話をうかがった。

1. トキワ荘通りについ

 「トキワ荘通り」とは、地元の隣接する二つの商店会が、トキワ荘記念碑完成の際に、共通の街路灯フラッグに使用した名称で、あくまで俗称である。今やそれが市販の地図にも表示されるほど認知されて来た。

2.聖地めぐり

 商店街研究会メンバーは西武池袋線「東長崎駅」より徒歩約10分、小出氏経営の時計店「スエヒロ堂」を訪ねた。そこで、「トキワ荘通り」の小冊子やチューダー飴を購入し、トキワ荘通りの活動に、ささやかながら貢献させてもらった。その後、小出氏のご案内で、聖地めぐりをした。

(1)記念碑「トキワ荘のヒーローたち」

「南長崎花咲公園」に2009年4月に建てられた。同年10月、池袋の郷土資料館にて企画展「トキワ荘のヒーローたち」が行われるなど、この記念碑設置を機に、各種イベント実施がより活発化した。

(2)ミニ資料館

トキワ荘通りの空き店舗を利用して、トキワ荘、漫画家達の貴重な写真が展示されている。

(3)トキワ荘跡地記念碑

かつてトキワ荘のあった場所は「日本加除出版社」の社屋が建っている。同社のご好意により、ビルのすぐ前の敷地に、トキワ荘を象った記念碑が建てられている。この記念碑はパワー・スポットとして人気がある、とのことである。

(4)紫雲荘

かつて「赤塚不二雄」が執筆していた202号室を見学させてもらった。紫雲荘には豊島区からの家賃補助を受け、現在若手漫画家3名が住んで、腕を磨いている。

3.講演会

写真 講演には「目白通り二又商店会」の吉野祐一会長、および「南長崎ニコニコ商店街」の酒井一成会長のお二人もご出席下さり、区民ひろば富士見台(トキワ荘のマンガ家が通った銭湯跡地)にて行われた。 お話によれば、この辺りは江戸時代からトキワ荘のヒーローたちの時代も、たいへん賑わった土地であったとのことである。 2011年4月、商店会・町会が中心となり豊島区と協働で「トキワ荘通り協働プロジェクト協議会」を立ち上げ、「トークイベント」、「お絵かき大会」など“マンガで町おこし”を実施し、第7回「東京商店街グランプリ」優秀賞を受賞されている。 講演会の後、2012年11月に椎名町駅舎に設置された「ようこそトキワ荘のあった街・椎名町へ」の壁画と「ゆかりの地マップ」を見学して解散となった。


城西支部 松田 武