立川南口商店街 活性化の取り組み 〜 究極のお店のファンづくり「街ゼミ」〜

 商店街研究会では、9月21日(土)、 東京都立川市の「立川南口商店街」を視察し、立川南口商店街連合会の副会長である長井琢英氏 他2名の幹部の方より、商店街活性化手法のひとつである「街ゼミ」の取り組みについてお話を伺いました。

1.進化が注目される「たちかわ

 立川市は人口400万人を有する多摩地区の玄関口として栄え、JR立川駅周辺を中心に再開発が進み、今後も大型商業施設の出店などが計画されるなど、その進化が注目されている地域です。 立川南口商店街連合会は、JR立川駅南口に位置する複数の商店会で構成され、この地域の新たな活気を取り込むため、「街ゼミ(得する街のゼミナール)」や「たち☆コレ(立川フードコレクション)」などのイベントを共同で企画・実施し、商店街の活性化に積極的に取り組んでいます。

2.「三方よし」を実現する「街ゼミ」

 「街ゼミ」とは、商店街の各商店が講師となり、各店の専門知識を受講者(お客様)に無料で講義、実技などの体験を提供する少人数のゼミナールです。お店の存在・特徴、商店主のこだわり、人となりを知って頂くことで信頼関係を構築し、新たなお客様との出会いや、お店のファンづくりを後押しする効果があります。 また、大型店の豊富な品揃え、ディスカウント店のような価格、インターネット販売のような利便性には、各商店だけではなかなか対抗することは難しいですが、商店街の最大の魅力である“人”を活用し、  @お客様の満足、A各商店の顧客獲得や売上向上、B街の発展・活性化の「三方よし」を実現する“みんなが幸せ事業”として「街ゼミ」は注目されています。

3.立川南口商店街の取り組み

写真  立川南口商店街連合会では、3月に37店舗の協力で、43講義の街ゼミを実施し、78名のお客様が参加、終了後のアンケートでも非常に満足度も高く、無事成功を収めました。現在は、10月に2回目となる「街ゼミ」開催に向けた準備の真っ最中です。  初回の3月の段階では、店舗の理解や協力を直ぐに得ることが難しく、説明会を何度も実施し、更には店舗を個別に開拓していく必要があったこと、街ゼミへの取り組みが自身のお店を考える機会となったこと、従業員教育などの面でも効果があったことなどのお話も伺うことが出来ました。 また、中核メンバーである長井氏は、まちゼミの仕掛け人−岡崎まちゼミの会代表の松井洋一郎氏ととことん論議をかわした仲であり、確実に「元祖まちゼミ」のDNAを受け継いでいるように思われます。

 

4.商店街支援への活用

 今回の視察にて「街ゼミ」の効果及び取り組みにおける留意点などの見識を更に高めることが出来ました。今後の商店街支援では「三方よし」を実現する「街ゼミ」を積極的に活用していきます。

中央支部 山本 浩之