スカイツリーの塔下町でおしなりくんと頑張る商店街 〜おしなり商店街を視察して〜

 商店街研究会では、4月26日(土)に東京都墨田区の「おしなり商店街振興組合」を35名の会員で視察しました。熱気のある雰囲気の中、当商店街の理事長である金澤武市氏と副理事長の黒田健司氏より、当商店街の歩みや、現状についてお話を伺うことができました。

1.おしなり商店街の概要

 平成18年に墨田区押上・業平橋地区が新タワーの建設地として決定され、「住んで良し、訪れて良し」のまちを目指して、地元の5商店会(業平商盛会、業平橋融和会、押上通り商店会、押上ガーデン通り商栄会、業四市場商栄会)が中心となって押上・業平橋地区活性化協議会を設立しました。当時、30名近くの若者が立ち上がり、青年部も結成されました。  平成23年に押上・業平橋地区活性化協議会は解散となりましたが、参加していた業平商盛会と業平橋融和会が統合され、現在のおしなり商店街振興組合となりました。

2.おしなり商店街の活動

写真 おしなり商店街では地元の人や観光客に向けて様々な活動を行っていますが、特に「おしなりくん」、「おしなりくんの家」、「サマーセールや歳末セール」、「お散歩」に力をいれています。  「おしなりくん」は、業平橋の名前の由来になった平安時代の歌人・在原業平をイメージして、押上(おしあげ)と業平(なりひら)から命名された商店街のイメージキャラクターです。現在では、商店街のシンボルとして様々なイベントに参加し、近隣のゆるキャラとコラボしながら商店街を盛り上げる活動を行っています。

 「おしなりくんの家」は空き店舗を利用して、商店街や墨田区内の観光情報を提供する休憩所としてオープンしました。 浅草通りに面した商店街の一角で、地元のボランティアのみなさんに支えられながらおもてなし活動をしています。  「サマーセールや歳末セール」は、スカイツリーから隅田川の花火大会や初日の出を見ることができるプラチナチケットを目玉の景品として、三角くじで抽選会を行っています。  「お散歩」は、おしなりくんと一緒に土日祝日におしなりくんの家から出発して商店街周辺を散歩する活動で、今では人気のあるイベントとなっています。

3.今後の課題

順調にみえるおしなり商店街ですが、課題も残されています。 スカイツリーの建設中には多くの観光客が商店街周辺に集まりましたが、スカイツリー内にソラマチが完成することによって、観光客が商店街に集まりにくくなってしまいました。  今後は、おしなりくんを通じてさらに商店街の魅力を発信し、スカイツリーを訪れるお客様をいかに商店街に引きつけるかが鍵となりそうです。

中央支部 吉田 勧司