大岡山北口商店街が取り組む活性化イベントの秘訣 -鉄道会社と仕掛けるイベント「ノリカエさんいらっしゃい」-

 商店街研究会では、12月10日(土)、大田区の「大岡山北口商店街振興組合」を視察し相川理事長より商店街活性化イベントの取組みについてお話をお聞きした。大岡山駅は、東急目黒線、大井町線の2線が乗り入れているため乗り換え客が多い。日本初の駅舎の上に総合病院があり、また駅前に東京工業大学が立地して平日の利用者が多い駅である。

 1.東急電鉄と仕掛ける地域イベント「ノリカエさんいらっしゃい」について

 今年初めて開催したこのイベントは、改札を通らない多くの利用者を商店街へ取り込むことで新たな潜在需要を取り込むのが目的である。対象者は「大岡山駅を経由した定期券を持った人」とターゲットを絞りこんでいる。イベントは@参加者へ500円分の商店街券を無料配布。A買い物レシートを持ち駅前の受付でアンケートに答えると東急オリジナル景品がもらえる。@により商店街への来街者の取り込み、Aにより東急では沿線住民の情報が入手出来る。東急から広報誌5万部にイベント告知、東急各駅にポスター掲示等協力を受けた。この背景として駅前に作られた花壇の整備を商店街が請負い、地域コミュニティの一環として毎月地元小中学校の生徒と整備を行っており、東急との相互協力体制が構築されていることが成功の要因となっている。

2.連携を通した地域を盛り上げる活発なイベントの取組み

 (1)春のさくら祭りでは近接する目黒区北本通商店街とウォークラリーを実施、(2) 10月の大岡山フェステイバルでは警察署の騎馬隊試乗会や消防署のはしご車試乗会等、子供が喜ぶイベントを実施、(3)広域支援型商店街事業では、大岡山、雪が谷、三軒茶屋、経堂の4商店街でまち歩きBOOKを発行する等、様々な連携に力を入れているのが特徴である。

城南支部 田村 隆彦