地域資源を上手に活用した商店街の取り組みについて

 商店街研究会では、10月6日(土)に霜降銀座栄会を訪れ、同会の細野幹人会長及び中村歌子様より、地域資源を活用したイベントである「ミステリーウォーク〜名探偵☆浅見光彦の住む街」など同会の取り組みについてお話を伺いました。

 同商店街は、JR山手線の駒込駅から徒歩5分の全長250mの商店街です。「ミステリーウォーク〜名探偵☆浅見光彦の住む街」は、作家の内田康夫先生が北区西ヶ原出身であること、内田先生の「探偵・浅見光彦シリーズ」で浅見光彦がこのエリアに住むとされていたことから、北区が実施した後に、霜降銀座栄会と隣接する染井銀座商店街の2商店街を核とし住民も巻き込んだ実行委員会での実施に移行した地域資源を活用したイベントです。

  イベントは、冊子に書かれたストーリーに従い、参加者が商店街をはじめ地域を歩きながら浅見光彦になりきり謎解きをしていくものです。坂道にホシを追う、江戸時代にタイムスリップなど毎年変わるストーリーは、実行委員会メンバーが半年前から作成し、内田康夫財団の監修も経る本格的なもの。区、商店街個店、JR、警察署、博物館、地域メディア、住民が協力し、バラの名所の旧古河庭園が近くにあることを意識し、ゴールデンウィーク直後のバラの見ごろの時期に実施するなどの工夫で、地域ぐるみの恒例イベントとして定着し、毎年冊子(無料)の発行部数が数万に達し、2018年で19回を数える人気イベントとなりました。

 街を歩くというイベントのしかけが、参加者と店主とのコミュニケーションや購買も促す、地域資源を上手く活用した大変参考になる取り組みと感じました。

城南支部 西岡 邦彦