-豊洲市場を見学して-

 5月18日(土)の午後、商店街研究会は江東区豊洲市場の見学を行いました。ゆりかもめの市場前駅を出ると、大きな建物と道路、そして施設建設用地が目の前に広がります。

 豊洲市場は、2018年秋に築地市場を引継ぎ開場された国内最大の市場ですが、今年初市の1月5日を前年の築地時代と比較すると、水産物の入荷数量は約20%減少で、1月全体でも対前年比減少が続きます。このうちマグロでは、青森県大間産のものが最高値としてキロ単価120万円、1本合計3.3億円で落札されたことは記憶に新しいことです。 一方、野菜の入荷数量全体では前年の築地市場の初市を12.1%上回り、果実は前年を下回るなど、ものにより異なる多様な動きをしています。

 当日はまず、水産仲卸売場棟に入りましたが、上階には飲食店舗(寿司など)、物販店舗(水産物の加工食品、刃物など)があり、すし屋のように客が並んで待つ店もありましたが、開業は午前中までが多いことから、約半数の店がシャッターを閉めていたのは残念でした。 各棟とも、1階のセリ取引の様子をガラス越しに見ることができますが、水産卸売場棟、最後に訪れた青果棟も含めて、当日の取引は午前中で終了していました。 全体の印象として、さまざまな要因から完成途上という感じで、午後だったせいか人が少なく、魚のにおい、熱気などを感じることが難しく、最新のハイテク工場のような空気でした。コンクリートの壁に沿って長距離を歩くので、退屈した見学者がいたかもしれません。やはり、商店街に大事なものは、人とにぎわいであると改めて感じさせられました。

三多摩支部 大沼 健三