「令和3年度 商店街施策・補助金について」 〜商店街研究会1月定例会報告〜

 1月の商店街研究会は経済産業省関東経済産業局商業振興室である渡辺陽一室長をお招きして、これからの商店街施策・補助金についてお話を伺いました。

 まず背景として、小売事業者数、商店街数等が減少しており、特に商店街の売上や事業所数、従業員数は小売全体のそれより大きく減少しています。また商店街の空き店舗率は年々増加しており、心理学的に廃れていると感じる境界とも言われる空き店舗率10%を超える商店街は全体の40%に達しているとされています(平成30年度調査)。 このような状況のもと、商店街の活性化のためにイベントの補助に代表されるソフト支援、施設整備等のハード支援が経済産業省により行われており、近年では空き店舗を活用したコミュニティ施設や創業拠点の整備などが行われています。しかし経済産業省の商店街支援予算の推移を見ると、平成31年度予算の50億円から、令和2年度30億円、令和3年度5.5億円(いずれも当初予算額)と、大きく縮小している傾向が見受けられます。

 これには商店街活性化、観光消費創出、消費増税対策などの目的・意義が変わってきたこと、そして別予算であるGoTo事業に回っている部分もあると思われ、トータルでは増額されているという見方もできますが、コロナの影響の大きい商店街にとっては難しい局面にあることが伺えます。併せて観光庁などの他省庁のまちづくり施策や、ものづくり補助金、持続化補助金、IT補助金のほか、事業再構築促進事業も紹介があり、個々の商店がこれらを活用して次の一手を打っていくことが重要になるように感じられました。

中央支部 盛澤陽一郎