令和3年度 挑戦する商店街 佐世保市商店街連合会

 9月の商店街研究会では長崎県佐世保市商店街連合会より竹本慶三会長(させぼ四ヶ町商店街協同組合 前理事長)をお招きして、佐世保市四ヶ町商店街を中心とした一帯の取り組みについてお話を伺いました。

 同商店街は1km超の日本一長いアーケードを有しており賑わいを見せていたものの、郊外に大型店ができたことから商店街の役割を見つめ直すこととなりました。そこで、人と人との出会いの場としての「社会的役割」、情報を発信する「文化的役割」に注目して、人が集める場としての商店街づくりを目指しイベント事業を強化していきます。これによりYOSAKOI祭り、情報発信のためのFM局の開局、護衛艦カレーグランプリ、市民で歌う第九合唱など、個性的なイベント事業が実施され、コロナ禍の今も、3密を避けたイベントを開催するなど、今も精力的に活動を続けています。 特に「人を巻き込む」ことを意識した取り組みが印象的でした。

 商店街のイベント実施時には市民応援団を募って参加したい人、協力したい人を集めることで、多くの人が関われる形づくりを意識されていました。ここから規模が膨らみ、各商店街での活動(点)から中心商店街(面)として2商店街と地元百貨店での協同事業が展開されるようになりました。

 お話の中で印象に残ったのは「自助・互助・公助」の商店街振興の考え方です。この順でなければ振興は成らず、逆の順番になってしまうと本旨を見失ってしまう。まず自分が動き、周りを巻き込むことが大切という言葉からは、実践者だからこその説得力を感じました。

中央支部 盛澤陽一郎